住宅ローンの審査が通らない理由と事前に気を付けるポイント

何で住宅ローンの審査が通らないんだろう。何に気をつけたらいいのだろう。
今回はこのような疑問に答える内容になっています。住宅ローンの審査に悩んでいる方を対象としています。
- 住宅ローンの審査で不利になるポイント5点
- 住宅ローンの審査を受ける前に注意する点
- 金利の低い金融機関の探し方
この後、上の3つの点について詳しく説明していきます。
住宅ローンの審査のポイントに注意して、金利の低い金融機関で住宅ローンが組めるように調整していきましょう。
Contents
- 住宅ローンの審査が通らないことでどうなるか
- 住宅ローンの審査で不利になる5つのポイント
- 住宅ローンの「仮審査」で注意する点
- 返済負担率が大きい
- 信用情報に「異動」の履歴がある
- 完済時の年齢が80歳以上
- 住宅ローンの「本審査」で注意する点
- 健康状態が思わしくない
- 物件の担保価値が保てる可能性が低い
- 住宅ローンの審査を受ける前に気を付ける点
- 頭金をできるだけ用意する
- 他の借入れをなるべくなくす
- 住宅ローンを低い金利で借りるコツと注意点
- 不動産屋が紹介する金融機関に注意
- 住宅ローン一括審査のサイトを利用する
- まとめ
住宅ローンの審査が通らないことでどうなるか
住宅ローンの審査が通らないことで、いろいろと不安になることが増える。ストレスもたまる。
- 家が建てられるのかな?
- いくらまで借りられるかわからないから家の話が進まない
- もしかしてブラックリストにのっているのかも
実際に住宅ローンの審査が通らずにマイホームを諦める人がいるという現状を聞くと心配になります。
住宅ローンの審査に通らない人は必ず理由があり、その部分に注意すると審査は通りやすくなります。
この後、住宅ローンの審査でチェックされるポイントや気をつける点について、住宅ローンの審査に2度落ちている不動産エンジニアの僕が体験からアドバイスしていきます。
住宅ローンの審査で不利になる5つのポイント
住宅ローンの審査で不利になるポイントは以下の5つです。上の3つが「仮審査」、下の二つは「本審査」で重点的にみられるポイントになります。
- 返済負担率が大きい
- 信用情報に「異動」の履歴がある
- 完済時の年齢が80歳以上
- 健康状態が思わしくない
- 物件の担保価値が保てる可能性が低い
住宅ローンの「仮審査」で注意する点
住宅ローンの審査では、一般的に年収や年齢、職歴などが見られると言われていますが、実際にどこを見ているのか気になります。順番にみていきます。
返済負担率が大きい
返済負担率とは、年収に占める住宅ローンの年間返済額のことで、この比率が高いと審査が通らない可能性があります。返済負担率はローンの返済能力を表しているといえます。
例えば自分がお金を貸す側として、以下の2人ではどちらにお金を貸したいと思いますか?
Aさん | Bさん | |
年収 | 350万円 | 400万円 |
借入金額 | 100万円 | 170万円 |
返済負担率 | 28% | 42% |
※どちらも借入れ金額を1年間で返済するものと仮定
Bさんの方が年収が高いため、Bさんの方にお金を貸したいと思うかもしれませんが、返済負担率は約42%とAさんより高くなっています。
そうなるとBさんの方が返済リスクが高くなり、場合によっては返済できなくなる可能性が高いといえるでしょう。
つまり住宅ローンの審査では、年収だけではなく「返済負担率」が重視されるのです。
住宅ローンの理想の年間返済負担率は、35%以内が目安とされています。返済負担率が50%でも審査が通る事例もありますが、返済負担が大きいためなるべく避けた方がいいでしょう。
信用情報に「異動」の履歴がある
信用情報とは、ローンやクレジットカードの審査に活用する情報のことで、金融機関が顧客の信用を判断するための参考情報として利用されます。
もし信用情報に「異動」の記載があると、基本的には住宅ローンの審査は通りません。
自分の信用情報を確認するためには、信用情報機関であるCICまたはJICCで照会することができます。以下で確認できます。
CIC: https://www.cic.co.jp/mydata/index.html
JICC: https://www.jicc.co.jp/kaiji/
仮に過去に返済遅延などで「異動」の記録がついていても、5年で記録は解消されます。そのためもし「異動」の記録がついている場合は、5年後にローンの審査を受けるといいでしょう。
完済時の年齢が80歳以上
住宅ローンの審査では、多くの金融機関が完済時の年齢を80歳に設定していることが多いです。
年齢が上がれば健康上のリスクや、現役時代に比べて年収が落ちることが予想されるため、このような完済時の上限年齢が設定されています。
可能であれば、定年退職前までに完済できるよな返済計画を立てるといいでしょう。また完済時の年齢とともに、ローンの借入れ時の年齢も設定されていることがあります。
多くの金融機関は65歳未満で設定しており、フラット35に関しては70歳未満となっています。
住宅ローンの「本審査」で注意する点
仮審査が通っても本審査が通るとは限りませんが、
健康状態が思わしくない
健康状態が思わしくないと、団体信用生命保険に加入できず、ローンの審査が通らない可能性が高いです。
住宅ローンを組む際に、万が一に備えて金融機関が団体信用生命保険という保険へ加入を義務付けています。団体信用生命保険とは、万が一のことが起きた場合、生命保険会社から支払われる保険金によって住宅ローンの残債が弁済される保険です。
仮に契約者の人が亡くなり、ローンの返済ができなくなっても、残された家族にローンは残らずに安心してマイホームに住み続けることができます。団体信用生命保険の仕組みは一般的な生命保険と変わりなく、加入時に契約者の健康状態を確認されます。
たとえばローンの申込み1年前に病気で手術をしており、団体信用生命保険に加入できなかった事例もあるのです。この場合、ローン契約者を変更することを考える必要があるでしょう。
物件の担保価値が保てる可能性が低い
住宅ローンを組むと、購入した物件を担保に設定しますが、物件の担保価値がないと審査が通らない可能性があります。
金融機関は住宅ローンの貸出しをする際に、貸し倒れるリスクに備えて物件を担保に設定します。
物件が担保設定されると、契約者の返済が滞った場合に、金融機関が物件を強制的に競売にかけて貸出金を回収する仕組みを作ることができるのです。
つまり物件の価値が低すぎるなど、担保としての価値がなければ競売にかける際に貸出金額を回収できなくなるのです。そのためローンの審査で、物件が担保としての価値があるのかを審査します。
たとえば中古物件は新築物件に比べて、ローンの審査が通りにくいといわれます。中古物件には、再建築不可の物件や新耐震基準を満たしていない物件、物件所在地が災害リスクが高いエリアにあるなど、担保としての価値が低くなる要素があるからです。
リフォームをして内装だけ良くしたとしても、担保価値を高めることができない可能性もあるため、中古物件を購入する際は注意しましょう。
住宅ローンの審査を受ける前に気を付ける点
住宅ローンの審査を受ける前に、特に注意すべきポイントは、以下の2つです。
- 頭金をできるだけ用意する
- 他の借入れをなるべくなくす
頭金をできるだけ用意する
物件価格に対して少しでも頭金を入れると、ローンの審査が通りやすくなります。頭金が多いと、借入金利が下がり毎月の返済金額が少なくなるからです。
住宅ローンは物件価格に対して、頭金を何割入れるかによって金利負担が変わります。物件価格に対して頭金の金額が多ければ金利が下がり、毎月の返済額も下がるため返済負担率も下がります。
頭金の理想は新築であれば3割、中古物件であれば4割です。ただし頭金を入れすぎて手元のお金がなくなると、他の支払いなど万が一の時に対処できなくなるため注意が必要です。
住宅ローンが通る場合は、低金利なので頭金を入れないで借りておく方が良いと言われます。
その他の対策
年収を上げておくというのが一番です。収入が上がってると「返済負担率」も下がります。収入が低いのに無理しているというのが、そもそもの問題かもしれません。
住宅ローンや家計のやり繰りを含めてFP(ファイナンシャルプランナー)に相談して、計画を立ててみるとよいと思います。
子育てにかかるお金や老後のことまで相談して、住宅ローンはどのくらいまで借りるべきか相談してみると不安が軽減されると思います。
他の借入れをなるべくなくす
車のローンやキャッシングなど他に借入れがある場合は、なるべくそれらを無くしてから審査に望むといいと思います。
「返済負担率」は、住宅ローン以外の借入れも合算して算出されます。そのため他に大きな借入れがある場合は、審査が通らない可能性があるため注意しましょう。
また借入れがなくても、クレジットカードが審査に影響する可能性があります。たとえば使用していないカードがあったとしても、「キャッシング枠」が設定されていると今後利用することが考えられるため、返済負担率に加算される可能性があります。
使用していないクレジットカードがあれば、解約するなどをして審査に備えましょう。
住宅ローンを低い金利で借りるコツ
住宅ローンの審査を受ける金融機関を探す場合、どのようにして探しているでしょうか?インターネットで「住宅ローン 金利 安い」みたいに探しているという人が多いと思います。
それで本当に安い金融機関が見つかるとよいのですが、正しい結果になるとは限らないです。その他、注意点と僕のおすすめの探し方を紹介します。
不動産屋が紹介する金融機関に注意
住宅ローンの審査を受ける時に不動産屋は安い金利の金融機関を紹介してくれるわけではありません。
よくわからないで不動産屋の紹介する金融機関で審査を受けると、普通に提携している金利が低くないところを紹介されます。
不動産屋に任せると楽ですが、自分で金利の安い金融機関を探し審査を受ける方がいいので、探してみましょう。次の部分で簡単に探せる方法を紹介します。
住宅ローン一括審査のサイトを利用する
先に書いた通り、住宅ローンの審査を受ける時に金利の安い金融機関を探したいと思い「住宅ローン 金利 安い」で探すと金利の安い金融機関の候補が出てくると思いますが、金利だけで判断するとトータルで安くならない場合もあるので注意が必要です。
総支払額、事務手数料、保証料、諸費用まで含めて安い金融機関を見つけることが重要です。以下の関連記事の中で住宅ローンの審査について詳しく説明しているので、探してみてください。
まとめ
住宅ローンの審査については、年収だけが影響すると思われがちです。もちろん年収も大切な要件ですが、それと同じくらい「返済負担率」がよく見られます。
審査をスムーズに行うためにも、自分が最低限の要件を満たしているか確認し、他の借入れの整理などできることはたくさんあります。
良い準備をして審査にのぞみましょう。